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2019.02.18

花粉症の秘密 その7 ~日常生活に潜む原因~

みなさん、こんにちは!
十条銀座「誠真堂鍼灸院」院長の東です。

花粉症の秘密シリーズも、今回で最終回です。

以前お話ししたように、
花粉症の発症は生活習慣にも大きく影響されます。

今回は、花粉症にならないために、
そして、既に発症してしまっている方は
その悪化を防ぐために大切なことを
お話したいと思います。

さて、今年は花粉の飛散量が非常に多く、
とうとう花粉症デビューしてしまった方も
多いと聞いています。

しかし、同じ環境に置かれても
マスクなしで鼻歌交じりで街を歩ける人もいますね。

その差は、どこにあるのでしょうか。

一般的に、「花粉症になりやすい人」は、
以下のような条件を備えた方だと言われています。

1.不規則な生活をしている人
2.慢性的に睡眠不足な人
3.強いストレスにさらされている人
4.食生活が乱れている人

そして、これらの条件により
免疫力が低下している人が花粉症になりやすい
ということです。

「免疫力」と言ってしまうと西洋医学的になりますが、
花粉症については西洋医学的に説明しているサイトが
ほとんどです。

私は、東洋医学をこよなく愛する鍼灸師ですので
今回は上記の「花粉になりやすい条件」を
東洋医学的に説明したいと思います。

 

◆免疫力=正気

まず、「花粉症の秘密その1」では、
花粉症の原因は「風邪(ふうじゃ)」である
とお話ししました。。

風邪は、要するに「風の邪気」ということですから、
一日中家に閉じこもっていない限りは
皆さん平等に受けてしまうものです。

この「風邪」のような
外部から体内に侵入して悪さをする邪気のことを
総称して「外邪(がいじゃ)」と呼びます。

※参照「百病の長『風邪』にご用心 その1」

そして、今回お話しするのは
外邪の侵入を防ぐ「正気(せいき)」についてです。

この「正気」は、西洋医学でいう「免疫力」にあたり、
気や血液・津液(体内の水分)などの総称です。

そして、花粉症の原因として
体内に侵入する「風邪」に対抗する「正気」と
大きく関係するのが
「肺・脾・腎」の臓器です。

要するに、生活習慣により
この3つの臓器の機能が低下してしまうから、
風邪の侵入を許し、花粉症を発症するのです。

 

◆「肺」「脾」「腎」が失調する要因

1.肺
長期間の喫煙や季節に合わない薄着をしていると、
「肺」の機能が失調します。

肺は、外邪が体内に侵入しないように
体表でバリアを張る「衛気(えき)」を
コントロールしています。

そのため、肺の機能が失調すると、
十分に体表を守ることができず、
外邪の侵入を許すことになってしまいます。

さらに、「肺」は鼻にも大きく関係していますから、
肺の機能が失調すると、影響が鼻にも及んできます。

 

2.脾
「脾」は飲食物から取り入れた栄養素を
全身に散布する「散精(さんせい)」という役割を
果たしています。

お酒の飲みすぎや油っこい物のような
「重い物」を食べすぎると散精に負担がかかり、
「脾」の機能が失調します

このような暴飲暴食を繰り返していると
栄養素が全身に行き渡りにくくなり、
「正気」の低下を招きます。

さらに、ストレスが強い生活をしていると
全身の気のめぐりが悪くなります。

すると、同じように「脾」の散精機能に負担がかかり
上記のように正気が低下します。

 

3.腎
「腎」は、「先天の本」と呼ばれる臓器で
両親からもらい受けた「先天の精」を蔵しています。

この「先天の精」は、
人間として生きていくパワーの源
ともいえるとても大切な物質です。

睡眠不足や昼夜逆転の生活、
過剰な性生活をしていると、この先天の精が消耗し、
「腎」を損傷するだけでなく、
やはり「正気」の低下を招きます。

 

こんな日常生活に、
花粉症の原因が潜んでいるんですね。

これが、長期間にわたってしまうと、
身体の防衛力が弱くなってしまい、
普通では身体に害を及ぼさない花粉に、
過剰に反応する体質になってしまうのです。

花粉症の予防は、マスクだけではありません。

普段から、ご自身の身体を大切にするように
心がけてみてください。

お仕事でどうしても身体を酷使せざるを得ない方は、
睡眠をできるだけ多くとり、
食事をバランスよく摂るようにしてみてください。

そんな小さな「身体へのいたわり」が、
健康で快適な生活の糧となるんですね。

誠真堂鍼灸院 東洋史

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