鍼灸学生用


2019.04.24

鍼灸学校1年生が取り組むべきこと ~その2~

こんにちは!
十条銀座「誠真堂鍼灸院」院長の東です。

今日は第2回目、学会や外部の講習会に
今から参加するべきか否か
についてお話ししようと思います。

 

◆学会への入会は意義あること?

先日、鍼灸学校の1年生の方から
「今から学会に入会するのは
意義のあることですか?」との
ご質問をいただきました。

これは、もしかしたら先生の間でも
意見が分かれるところかもしれません。

しかし私は、1年生の時点で、
学会に参加するのはまだ早いと思います。

意義が全くないとは言えません。

しかし、今の皆さんは
土台となる基礎的な知識がほとんどないので、
得るものはさほど多くはないでしょう。

なぜなら、学会は
第一線で活躍されている先生方の
研究成果を発表する場であり、
それを聴講した先生が
さらなる臨床力を高める場であるからです。

送られてくる情報も高度なものが多く、
今の皆さんには分かりにくいものが
ほとんどでしょう。

もし、看護師や柔整師の資格があって
解剖学や生理学の知識がある場合や、
薬剤師の資格があり東洋医学に関しては詳しい
といった場合には、
入会してみても良いと思います。

全日本鍼灸学会などは、学生のうちに入会すると
鍼灸師になった後も会費が安いですからね。

しかし、基本的には
今は基礎力をつけることに
集中することをお勧めいたします。

 

◆外部の講習会には参加するべき?

また、外部の講習会に参加するのであれば、
基礎知識を重視しているところが良いでしょう。

皆さん、どうしても手技に目が行きがちになります。

ネットで検索すると「〇〇法」や「〇〇派」といった
魅力的な手法や流派がたくさん出てきます。

そして、どれも素晴らしい内容なので、
皆さんの興味を惹くでしょう。

しかし、本当に実力のある先生ほど
その手技の奥には圧倒的な基礎力が潜んでいます。

皆さんが、今からそのような手技を学んでも、
臨床にはほとんど活かすことはできないでしょう。

また、補瀉手技に興味を示す学生が多いと
聞いたことがありますが、
これも今はまだ時期尚早です。

補瀉手技は、患者さんの身体の状態を
しっかりと判別できて、
何を補し、何を瀉すのかを理解できて
初めて使いこなすことができます。

学生の段階で補瀉手技の練習をするのは、
自動車教習所に通いながら
自分でドリフト走行の練習をするようなものです。

今、皆さんが学ぶべきは、
臨床の場に出たときに
体調不良に悩む患者さんの身体を
改善するための土台となる知識です。

「目の前に現れた患者さんを癒せる鍼灸師になること」

常に、皆さんのゴールはそこにあります。

それを忘れずに、今は必要な知識習得に
特化してください。

 

誠真堂鍼灸院 東 洋史